PDMと SAP ERPをつなぐBOM連携システムを構築
統合化部品表でグローバル生産を支える基盤を確立
お客様情報
日本電産サーボ株式会社(以下、日本電産サーボ)は、世界最大の精密小型モータメーカとして成長・発展し続ける日本電産グループ企業の一員として全世界に精密ステッピングモータや高性能ファン等を供給する技術志向型の企業です。
顧客ニーズを原点に日本電産サーボならではの技術ノウハウを活かし、日本・中国・ベトナムの3拠点で平均月産300万台の精密小型モータを生産しています。
- 会社名
- 日本電産サーボ株式会社
- 所在地
- 【本社】群馬県桐生市相生町3-93
【国内事業所】桐生事業所/穂高日本電産サーボ株式会社
【海外事業所】中国、ベトナム
- 設立
- 1949(昭和24)年 4月
- 従業員数
- 連結 2,629名 / 単体 383名(2020年3月末時点)
- 事業内容
- 精密小型モータの開発・製造・販売

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導入の背景
日本電産サーボでは2011年より基幹システムとして導入していたERP製品サーバの老朽化のため保守継続が困難となり、リプレイスには高額な費用がかかることから、親会社が既に導入していたSAPへ基幹システムを切り換える方針となりました。
当時導入していたERPでは「マスタ不整備による不完全オーダの発生」が課題となっていました。ERP製品のバージョンは各拠点で異なり、マスタの持ち方もそれぞれ異なっていました。国内拠点ではERPとPDMとの連携を行っていましたが、E-BOMの状態でダイレクトに登録していたため、M-BOMの形に仕上げるまでに中途半端な手配が出て修正作業が発生していました。また、海外拠点では手動登録になっていたためM-BOMに仕上げるまでに時間がかかるとともに、図面来歴の不一致などE-BOMとの整合性が取れていませんでした。
システムを担当する経営企画部経営企画第2Gr.次長の杉村氏は「全拠点同一システム・同一バージョンにすることで改善効果を統一して横展開を図るとともに、データ移管・製品移管は簡単にできるようにしたいという思いがありました。」と言います。
そこで、ERPの切り換えを機に、これらの課題を解決するため、SAPとのBOM連携ツールとなる、M-BOM作成システムの構築を新たに検討することとなりました。
選定のポイント
M-BOM作成システムとしてECObjectsを採用した理由について、経営企画部経営企画第2Gr.課長代理の斉藤氏は「親会社で既にSAP連携ツールとしてECObjectsを導入・利活用している実績があることと、同じシステムにすることで相乗効果や導入コストの抑制も期待が持てました。また、私自身がクラステクノロジーのセミナーや展示会に参加したり、ECObjects(統合化部品表)の書籍を読んでいましたので製品について理解がありました。親会社のシステム担当者からもいろいろな話を聞いて検討した結果、ECObjectsなら今までの課題が解決できると判断しました。」と言います。
杉村氏は「システム保守で顧客の仕様に合わせた柔軟な対応が可能である点もポイントでした。」と評価いただきました。
導入に際して
ECObjectsの導入は、2017年に国内拠点、2018年に中国、2019年にベトナムと3ヵ年計画で進められました。導入時の苦労について斉藤氏は「SAPの導入自体も初めてであり、ECObjects・SAP・周辺システムの同時立ち上げで一つが崩れるとすべて崩れてしまうため、厳しいスケジュールでの作業に加え、移行リハーサル、検証、データ投入、テスト、教育などスケジュール調整でもかなり苦労しました。」杉村氏は「データ移行も大変でした。いらないデータは移行しないという方針のもと、在庫情報があるもの、トランザクションに紐づいているもの、今後生産見込みがあるものなどを絞り込むのに時間や手間がかかりました。」と振り返ります。また、「ECObjectsではワークフローの形で作業を進めるにあたり、社内合意を取る、登録情報を適切なタイミングで登録者に回すという従来なかった社内調整の作業で苦労しました。」と斉藤氏は言います。
最初の国内への導入を何とか立上げた後、当初のシステムに改良を加えながら、中国、ベトナムへ順次展開し、結果として3拠点への導入に対してスケジュール通りに追加費用なく無事に完了することができました。
導入効果と今後について
以前はPDMからERPの中にBOMデータを作るときにE-BOMのまま登録し、ERPの中で購買や製造情報などをメンテナンスしており、それが終わるまではMRPを回すと不完全オーダができてしまうため、MRPを週に1度しか回せませんでした。導入後はPDMのE-BOM情報を基にECObjectsで完成させたM-BOM情報をSAPに投入することでM-BOMの構築効率が向上し、毎日MRPを回せるようになったことでMRPの精度も向上しました。前ERPで課題となっていた「マスタ不整備状態でのMRPでの不完全オーダによる混乱」を削減することができました。
マスタメンテナンスにおいてECObjectsで初期値の設定や入力チェックなどの機能強化を行い、SAPにおける品目設定情報の間違いをほぼゼロにすることができました。
斉藤氏は「ECObjectsを採用せずにExcelなどでデータを作成してSAPへ入れる同じような仕組みを外部で作るとなると費用と工数が一体どのくらいかかっていたか、一方、内部では作りきれたかどうかと思います。ECObjectsのパッケージの中でやりたかったことが実現できたのは大きいです。」と言います。
SAPとのBOM連携システムが確立され、今後については、「M-BOMの構築基盤が出来たので、今後はセールスBOMや、環境BOM、梱包材のパッキングBOMなどの構築についても検討していきたい」とされています。

経営企画部 経営企画第2Gr. 課長代理 斉藤 清恭氏(右)
システム概要
まとめ
導入前の課題
- マスタ不整備による不完全オーダの発生
- 業務の非効率、修正作業の発生
- マスタ整備が間に合わずMRPは週に1度しか実施できない
- E-BOMとM-BOMの不整合
課題解決の
ポイント
- PDMとERPをつなぐBOM連携ツール「M-BOM作成システム」を新たに構築
- E-BOM情報を基にしたM-BOMの作成によりマスタ情報を統合的に管理
導入後の効果
- マスタ情報が整備され、MRPの精度が向上(週1回のMRP実施→毎日に改善)
- 品目設定やBOM起因による手配不具合が大幅に削減
- 国内外3拠点のシステム共通化に貢献
- E-BOM、M-BOM連携による進捗状況の見える化
- M-BOM構築の効率向上(M-BOM登録のリードタイムが大幅に削減)
・本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
・事例は特定のお客様での事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
・記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。
