統合化部品表を導入しBOM改革を実現。E-BOMとM-BOMが
連携した、フレキシブルな生産管理システムを構築
お客様情報
古野電気株式会社(以下、古野電気)は、1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功して以来、船舶用電子機器の総合メーカーとして世界トップシェアを誇り、グローバルに事業を展開しています。船舶用電子機器で培った超音波技術と電子技術を基に、2000年以降には産業用事業を展開し、「安全安心・快適、人と環境に優しい社会・航海の実現」を目指しています。
- 会社名
- 古野電気株式会社
- 所在地
- 【本社】兵庫県西宮市芦原町9-52
- 設立
- 1951年(昭和26年)5月23日
- 従業員数
- 連結 2,978名 / 単体 1,722名 ※2021年2月28日現在
- 事業内容
- 舶用事業、産業用事業、無線LAN・ハンディターミナル事業、その他事業

システム機器事業部が入っている古野電気 フルノINTセンター
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導入の背景
BOM管理を全面的に見直し
産業用事業を展開するシステム機器事業部は、船舶用電子機器で培った技術を基に、ヘルスケアやGPS(GNSS)・ITS機器などの情報通信分野に展開し、人々が安全・安心で、快適な暮らしを実現するための機器・サービスを提供しています。
同事業部では以前より、生産計画執行率の低さ、製品生産の納期遅延、サービスパーツの供給遅延、設計変更対応やそれに伴う履歴管理の煩雑さなどが課題となっていました。これらの課題解決のため、生産革新プロジェクト「FMBS(Furuno Manufacturing BOM System)」を発足し、検討を開始しました。
課題の原因は生産活動の基本情報となるBOM(部品表)が正しく運用されていないことに起因するものが多く、「BOMを正しく作成し、設計変更等の情報を正確にBOMに反映することが必要」であると考え、“BOMシステムを刷新し、運用体制と運用要領を強化してBOMスキルを高める”ことを最大の目的としました。
システム化にあたり相談を受けた、横河ソリューションサービス株式会社(以下、横河ソリューションサービス)は豊富な導入実績の経験から、これらの課題解決には、クラステクノロジーの統合化部品表システム「ECObjects」が最適として紹介しました。
選定のポイント
システム選定では、現状課題を以下の7つに分けて明確化し、それらに対する解決および、あるべきBOMの運用や管理が見込めること、現状の組織・業務を見直し将来のあるべき姿への改革を実現するためのシステム像などを総合的に判断し、最終的にECObjectsが採用されました。
〈選定ポイント〉
- 統合化部品表で、E-BOM、M-BOMを一元管理
- BOM管理の正常化に向けた課題解決
(1) 製品開発(階層限界の共有化、部品表と図面の整合、など)
(2) E-BOM登録のルール化
(3) サービス部品単位情報
(4) M-BOM管理の基本方針
(5) 見積り原価計算
(6) 生産計画、所要量計算
(7) サービスパーツ所要量展開
中でも、M-BOM管理については、これまではE-BOMとM-BOMがシステム連携しておらず、正となる部品表が不明確で新機種、設計変更や生産中止部品対応のBOM管理が複雑になってしまい作業ミスも誘発されていました。ECObjectsでは、製番別BOMを実現して、E-BOMの形を維持したM-BOMを構築できることが評価されました。
導入に際して
BOM構築後に生産管理を刷新
システム構築は、まずヘルスケア事業を対象として、2016年1月にStep1としてBOMシステムの要件定義を開始しました。横河ソリューションサービスの協力のもと、プロジェクトメンバー全員にBOMの重要性を理解いただきながら、設計・生産・サービスと各利用部門毎のBOM活用を意識したヒアリングから進め、同年10月に本番稼働しました。その直後にStep2として旧生産管理システムの刷新を開始し、2018年4月に本番稼働しました。ヘルスケア事業のシステム安定稼働後、同事業部内の車載/社会インフラ事業、OEM/ODM事業にも対象を広げ、2018年6月にBOMと生産管理の刷新を同時に開始し2020年10月に本番稼働しました。
導入時の苦労として、BOMに対する概念が不慣れなため設定に苦労し、BOMの登録が設定に慣れた数人に集中してしまったこと、システムの操作者まで情報が行き届かず操作面の習熟度を上げるのに時間がかかったとのことでした
導入効果と今後について
車載/社会インフラ事業、OEM/ODM事業への導入から1年が経過した導入後の効果について、「統合化部品表でE-BOMとM-BOMをつなげられたことが一番大きい」とされています。「以前は、Excel、PDF、開発のBOM、生産管理にあるM-BOM、それに紐づいた部品リストなどがあり不整合が出ていましたが、今では全員がすべての部品で最新の同じものを見れるようになりました」
「BOMをきちんと管理することにより、生産管理側では機器に使うすべての部材が網羅できるようになり、生産計画の正確性が向上し、環境対応工数の削減、短納期発注の削減、戦略的な購買計画の立案が実現しました。また、前生産管理システムでは完全に分離していたE-BOMとM-BOMの統合により、開発部門と製造部門の意識統一が容易になり、統合化部品表によるBOMの一元管理で業務効率化につながる」とされています。
課題となっていた過剰在庫も可視化されたことで年々解消されており、効率的な在庫運用を実現され、全社レベルの在庫削減プロジェクトにも貢献しています。車載/社会インフラ事業、OEM/ODM事業単独でも生産管理立上げ後で原材料/仕掛在庫で約1.7億円の削減、在庫回転期間も約2ヵ月短縮し、今後も更なる効果が期待できるとされています。また、在庫の可視化により不要手配も減少する結果となりました。
加えて、以前は月次の振替処理で何千点ものデータを手作業で行っていた業務が完全自動化されることで大幅に工数が削減され、作業効率向上やコスト削減で業務品質も向上しました。
今後については、「運用面のルール整備、効率化および実務に即したシステムの改修を行いながら利用価値を更に高め、将来的には、このBOMと生産管理の新システムを中心としてサブシステムを極力なくしていきたい」とされています。

村瀬 英志氏(右)
システム機器事業部 製造部 資材課 課長代理
大浦 拓二氏(中)
システム機器事業部 製造部 資材課 生管2係 係長
村上 亮太氏(左)
システム概要
まとめ
導入前の課題
- 生産計画執行率が低い
- 組立外注先への部材支給の遅延
- サービスパーツ、消耗品の供給遅延
- 設計変更の対応煩雑による作業ミス誘発
- 所要量計算時の不要データ引き当て
- 生産計画がExcel管理で属人化
- 過剰在庫の増加
導入のポイント
- 生産管理の課題はBOM起因→統合化部品表でBOM管理を全面的に見直し
- E-BOM、M-BOMが連携したBOMシステムを構築したのち、生産管理システムを刷新
導入後の効果
- 生産計画の正確性向上
- 環境対応工数の削減
- 短納期発注の削減
- 計画的な購買計画の立案
- 在庫の可視化により過剰在庫が削減され、効率的に運用
- 事業部内でのシステム展開
・本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
・事例は特定のお客様での事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
・記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。
