統合化部品表を中核に分散していたものづくり情報を一元化
システムの一気通貫と見える化による全体最適で業務改善を実現
お客様情報
産業のマザーツールといえる「計測・制御・監視」の分野で特長ある技術を持つ、株式会社チノー(以下、チノー)は、計測制御機器、計装システム、センサなどを主力製品とする計測器専門メーカーです。特に、温度計測を主軸として幅広く事業を展開し、「温度のチノー」と言われています。更なる業務の高度化・効率化のため、個々に分散していたものづくり情報を一元化すべく部品表の改革に着手し、統合化部品表を中心とした生産管理システム「ECObjects」を導入。グループ全体最適を推進する新基幹システムを構築しました。
- 会社名
- 株式会社チノー
- 所在地
- 【本社】東京都板橋区
【事業所】藤岡(群馬)、久喜(埼玉)、山形
- 設立
- 昭和11年(1936年)8月
- 従業員数
- 663名(平成27年4月現在)
- 事業内容
- 計測制御機器の製造・販売、計装工事

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導入の背景
チノーの主力製品は「計測制御機器、計装システム、センサ」の大きく分けて3種からなり、国内に3ヶ所ある事業所(藤岡、久喜、山形)がその生産を支えています。
従来のシステムは自社開発の業務用システムを本社・各事業所毎にそれぞれ個別で運用していました。新基幹システム推進担当 部長 寺田氏は「当社のものづくりの特徴として、製品毎に生産形態が異なるため、その生産事業所毎に合わせた独自のプログラムで長年運用してきたという経緯があります」と話します。
久喜事業所 管理部 部長の安井氏は「それぞれの個別管理の運用で業務的には困っていませんでしたが、今後情報システムをどうしていくかという話は出ていました」と言います。
事業所間のホストコンピュータを一本化したことを機に、これからは全社的に一元管理できるしくみを作り、設計・生産・販売管理が一体化したものづくり情報の共有化が必要との課題がでてきました。
選定のポイント
一元管理に向けたものづくり情報共有化のためにまず着手したことは、本社・事業所毎でそれぞれ個別に運用していた部品表管理の改革からでした。
安井氏は「情報共有化に向けての一番の問題点は部品表がバラバラで個人任せになっていたことでした。部品表は会社の重要な資産であるとの認識から、まずは部品表をトータルで管理すべきと考えました」と話します。
このような課題を抱える中で、統合化部品表の「部門毎に分散された部品表を一元管理し、情報を共有化する」というコンセプトに着目し、統合化部品表を導入。部品表の改革が始まりました。
小さなシステムから統合化部品表の導入を開始し機能を評価する中で、本格的な取り組みに向けて新基幹システム導入推進室が設けられ、生産管理、販売管理までを含んだ全社システムとなる「新基幹システム」の導入を検討することとなりました。
いくつかのパッケージを検討する中で、基幹となる統合化部品表があること、それに付随したシステム運用が可能なことから、最終的にECObjectsが選択され、新基幹システムの構築が始まりました。
ECObjectsの機能について寺田氏は「当社の生産方式(見込/半見込/受注設計)の生産形態すべてにECObjectsが対応していたことと、ひとつの部品表を他部門で共有できるマルチビュー機能※が特に合っていました」と話します。
※ECObjectsのマルチビュー機能
統合された部品表から必要な情報のみをビューで切出して管理することが可能なため、各部門毎の部門最適と全体最適を同時に実現

久喜事業所 管理部 部長 安井 芳郎氏(右)
導入に際して
2011年から約1年間で3部門の部品表を導入したのち、生産管理の統合と販売管理を含めた新基幹システムの構築を開始しました。
システム構築で苦労した点について寺田氏は、「システム面よりも社内のユーザーを動かすことが大変でした。現場は従来のやり方に慣れているので、“システムを切り替えて本当に大丈夫なのか?”と半信半疑でした。実際にシステムを利用するユーザーをいかに納得させるかが重要です。そのため、本社・事業所の多くの人を巻き込んでステップ毎に異なるメンバーでワーキングチームやプロジェクトチームを数ヶ月単位毎に作りました。システム側の人間だけではなく、必ず現場を巻き込むことです」と当時を振り返ります。
導入効果と今後について
新基幹システム導入の効果について、「情報の一元化とリアルタイム更新、コストダウンが実現できました。コストダウンでは専用帳票が70%削減されています。そして、統合化部品表によって、全社共通のデータベースのしくみが作れたことも大きいです。あちこちにデータを持たずに一つのデータを活用・応用できますから。開発・営業・工場が同じデータを見て同じ目線で仕事ができるようにもなりました。在庫の見える化も大きいですね。また、人員の集約と削減、負荷軽減もあります。営業所では、システム化により営業アシスタントの業務が軽減され、事務から受注を取る内勤営業へとシフト化しました」と寺田氏。
「以前は、受注・製造指図・材料手配、出荷がそれぞれ分断されていたため転記作業の手間がかなりありましたがシステム化により軽減されました」と安井氏。
新基幹システムにより、情報の一元化とリアルタイム更新が実現し、設計・生産・販売業務の一気通貫で業務の高度化と効率化が推進されました。
新基幹システムの今後について、「藤岡・久喜の2事業所は導入から約1年で安定稼働しました。今後は生産管理の更なるレベルアップと山形事業所へ導入したのち、連携している海外子会社への展開を考えています」と寺田氏。
チノーグループ全体最適となるグローバル管理システム構築の大きな前進に向け、統合化部品表を基軸とした新基幹システムは今後さらに活用される予定です。
システム概要
まとめ
導入前の課題
- 在庫が正確に把握できない
- 部品表が目的別に分散している
- 販売システムと生産システムが分断
- 事業所毎に異なる独自システムと担当者に依存した個別管理
導入のポイント
- 統合化部品表による、ものづくり情報の一元管理
- 見込/半見込/受注設計の生産形態に対応した生産管理システム
- 設計・生産・販売管理の一気通貫システムと周辺サブシステムとの連携
- システムに精通したSEによる、ベンダーの協力体制
導入後の効果
- 分断されていた設計と生産が部品表統合により連携
- 在庫の見える化(情物一致)
- リアルタイムな納期確認・回答
- 営業と工場間の確認工数の大幅な減少
- 積上原価の精度向上
- 人員の集約と削減、業務負荷の軽減
- 専用帳票の大幅削減によるコストダウン
- グローバル管理システムへの基盤整備
・本事例中に記載の肩書や数値、固有名詞等は初掲載当時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。
・事例は特定のお客様での事例であり、全てのお客様について同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
・記載されている会社名、製品名は各社の商標または登録商標です。
